犬と家とバツイチ

犬を育てています。人生と暮らしと結婚生活の弔いについて

「なんで買ったの?」

物件を購入したはなしになると、だいたいこう聞かれます。実は今もまだうまく説明ができなくて、苦手な質問のひとつです。

理由はいっぱいある。犬がいるから。離婚したから。お金を大事にしたいから。犬を大事にしたいし、私の今後の人生も大事にしたいから。でもこんな抽象的なこと他人には言えないし、意味不明だし、面白くないし、何より納得感がない。

なので、私の中のソリッドな部分だけ抽出してコンパクトにまとめて伝えるようにしています。

1. 離婚が決まり引っ越しの必要性が生じた

2.当たり前のように賃貸を検索したけれど、犬を連れていける東京23区の物件は軒並み高かった

3. しかも今後も家賃を払い続け、ゆくゆくまた引っ越しの必要に迫られ、物件を探して、契約してっていう作業がもうめんどくさくてそういうのを辞めたくなった

4. 勢いで購入物件探してみたら、意外と家賃と変わらない(むしろ今の家より相当安い)とわかった

5. さらに調べたらマンションと一戸建てって意外と大差ない、とわかった

6. 犬いるし、土地あるし、管理費とかなんか腑に落ちないし、一軒家にしちゃおう

 

まぁ、だいたい上記で合ってます。あとは将来的に運用とか副業とかの可能性を考えたときに、フロアが分かれてたり、組合とかのしがらみがなくてなんでも自分の好きなようにできる方がいいなと思ったから。

20代で35年間の債務を負う契約したことを、みんなはすごいねすごいねって言ってくれる。全然すごくない、だれでもできる。できるかできないか、やるかやらないかというより、最早やりたいかやりたくないかの違いでしかなくて、わたしはどうしてもいま家が欲しかったし、殆どのひとはあえて今買う必要もないからそんなリスクを取る理由がないだけ。自分だって自分でローン組んで完済日が2053年とかなってるの見ると、なにこれって思う。

 

 

本当の本当のきっかけは元夫に離婚しないなら出て行けって言われたことなんだと思う。彼の名義で契約した部屋なんだから、彼が一緒にいたいと思わない人に住む権利はないって言われた夜のことをわたしはきっと一生忘れない。彼が私に興味を失った時点で、いやもしかしたら1番最初からずっと、ここはわたしの家ではなかったんだってその時初めて知った。

 

ひとの気持ちが変わってしまうのは仕方がない。だれがどんな考えを持ってどんな宗教に入っていようが、なんの価値観に基づいてどう行動しようと、法を犯していない限り私たちにはどうすることもできないし、たとえ法を犯していて裁きが下ったとしても精神的な強制力を作用させることはできない。だから、他人との婚姻や他人との賃貸借契約ではなくわたしの家が欲しいと、そう思った。そう思って、そのまま買ってしまった。そんなことを、周りの人に上手に説明することはわたしにはまだ出来ない。